2025年、全都道府県で「最低賃金1000円」達成せよ 中小企業の「支払い能力」は過去最高を記録中

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第2次安倍政権となって、最低賃金に対する考え方が変わったと同時に、2019年2月に「自由民主党最低賃金一元化推進議員連盟」も発足しました。2015年以降、東京に対する最低賃金が最も低い県の最低賃金が、2015年の谷の76.4%から次第に引き上げられ、2023年では80.2%を回復しています。

中小企業の支払い能力は十分にある

最低賃金の引き上げを主張すると、「大企業と違って中小企業にはそんな金額を払う余裕がない」と批判されますが、事実ではありません。

1990年度以降、売り上げはそれほどに増えていないのに、日本企業の経常利益は大きく増えています。1990年度に比べて2022年度の経常利益は2.5倍になりました。現在の日本企業の利益水準は史上最高で、売り上げはそれほど増えていないので、利益率は異常に高騰しています。

「日本企業の利益の増加は大企業だけだろう」「大企業の利益の増加は海外の利益だけだろう」という反論もありますが、この主張は事実に反します。

1990年度から2022年度の間に、大企業の経常利益は48.9兆円増えて3.1倍になっていますが、そのうち営業利益が21.7兆円増えて1.8倍になっています。

つまり、営業利益と経常利益の差を主に海外部門の利益とすれば、海外の儲けの増加は全体の利益増加の48.9兆円中、27.2兆円で55.6%を占めますが、営業利益を国内部門と見れば利益は21.7兆円と1.7倍増えています。大企業の経常利益の増加は海外だけではありません。

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