2025年、全都道府県で「最低賃金1000円」達成せよ 中小企業の「支払い能力」は過去最高を記録中
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。
退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼の著書『給料の上げ方――日本人みんなで豊かになる』では、日本人の給料を上げるための方法が詳しく解説されている。
「いまの日本の給料は、日本人のまじめさや能力にふさわしい水準ではありません。そんな低水準の給料でもガマンして働いている、その『ガマン』によって、いまの日本経済のシステムは成り立っています。でも、そんなのは絶対におかしい」
そう語るアトキンソン氏に、これからの日本に必要なことを解説してもらう。
2024年の最低賃金を6%上げて、下限を950円にせよ
岸田政権は物価上昇を上回る賃上げを促進していますが、実質賃金はなかなかプラスに転じません。
2024年度は、大企業は5.58%(経団連)の引き上げ、中小企業は3.62%の引き上げ(商工会議所)を実施しています。もっとも大事な初任給は、大卒の引き上げが4.01%、高卒は4.71%の引き上げ(産労総合研究所)となっています。
政府が民間のさらなる賃上げに直接的に影響を与えられる次なる手段は、最低賃金です。したがって、今年8月の最低賃金の引き上げ幅は非常に重要です。
私は、2024年には最低賃金を6%上げ、さらに地方の最低賃金に下限を設け、それを950円にするべきだと考えています。
企業側は「そんな余裕がない」と言いますが、大企業、中堅企業、小規模事業者のいずれもが、1998年以降、特に第2次安倍政権以降、史上最高水準の利益を毎年更新しています。
企業には十分な支払い能力があります。
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