ハンナ --悲しい少女と不景気と暴力《宿輪純一のシネマ経済学》

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 『ヤバい経済学』(東洋経済新報社)は映画化され、このコーナーでも取り上げたが、そこでは米国の殺人などの犯罪率が減ったのは、望まれない子供の誕生が減った(中絶した)からとしている。それも一因かもしれない。しかし、そもそも失業率が上がることは、経済問題を超えて、治安上も決して良いことではない。

現在、日本国内の経済成長率が下がっていることや、円高基調によって、このままでは空洞化が進むと言われる。経済の空洞化は、失業率の上昇につながり、治安も悪化する。絶対に阻止しなければならない命題である。何の策も採らずに景気が回復する時代は終わった。

以前は、国と企業と個人の幸せは重なっていた時期があった。しかし、企業がグローバル化していく中で、その三者がともに幸せとなる関係は薄まってきた。個人もグローバル化しつつある。政治や国のあり方が問題で、グローバル化しなければならないのである。

8月27日より公開。

しゅくわ・じゅんいち
博士(経済学)・映画評論家・エコノミスト・早稲田大学非常勤講師・ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングス他に勤務。非常勤講師として、東京大学大学院(3年)、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学(4年)等で教鞭。財務省・経産省・外務省等研究会委員を歴任。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『通貨経済学入門』・『アジア金融システムの経済学』(以上、日本経済新聞出版社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA、facebook:junichishukuwa ※本稿の内容はすべて筆者個人の見解に基づくもので、所属する組織のものではありません。

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