ハンナ --悲しい少女と不景気と暴力《宿輪純一のシネマ経済学》
日本もそうだが、最近、米国も財政危機である。そして、このCIAの工作員のコストも削減されているとも言われている。
軍隊のコスト削減は、兵士が死なないこととも言われる。最近、国防長官に就任にしたレオン・パネッタはCIA長官だったときに、情報を活用し中東地域での工作員の死亡率を大幅に下げた。それも国防長官へ大抜擢の理由の一つとされる。
さらに今後は莫大なコストがかかる中東駐留の兵士を減らすことである。実際、それも可能になりつつある。CIAを中心として無人機などをつかって調査を徹底し、地元の軍隊に情報をつなぐという手法がとられているという。アフガニスタンでも同様の手法を使うようである。コスト削減も考え方・やり方である。
どこまで本当かわからないが、CIAの殺人工作員が野に放たれるのが本当であったら困る。しかし、暴力といえば、現実問題としては、日本の社会全体の治安が悪化しているように感じられる。
最近のニュースをにぎわす凶悪殺人、家庭内暴力、交通機関の中の暴力……挙げ始めるときりがない。実際、筆者も世界の大都市の電車に乗ったが、たとえばニューヨークの地下鉄よりも、東京の電車のほうがより危険な気がする。