「子どもの近視」は大人が想像する以上に深刻だ 「視力が1.0未満の割合が過去最高」の衝撃

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それによると、裸眼で視力が1.0に満たない小学生は37.9%、中学生は61.2%、高校生になるとさらに増えて71.6%となりました。

つまり、小学1年生で約4人に1人が近視であり、小学6年生以上になると2人に1人以上が近視、しかも大人を上回る割合になっているということです。

今から45年前の1979年度は視力が1.0未満の小学生は17.9%、中学生で35.2%、高校生でも53.0%でした。当時より、大幅に増えていることになります。

このことは、メディアでも大きく取り上げられましたから、ご覧になった方も多いでしょう。

実はその前の年、2022年にも、文科省は同じように衝撃的なデータを公表しています。こちらは、全国の小中学生を対象に、眼軸(がんじく)の長さを初めて調査したものです。

目の長さが大人並みに

眼軸とは、要は目の奥行きの長さです。眼軸が長いほど、近視が強いとされています。

調査の結果は驚くべきものでした。

小学1年生の平均で男子が22.96㎜、女子が22.35㎜。小学6年生の平均では男子が24.22㎜、女子が23.75㎜――。成人の平均が24㎜程度です。つまり、なんと、小学校高学年で眼軸の長さが大人並みに長くなっている――つまり、近視が非常に進んでいることが明らかになったのです。
さらに、中学3年生では、男子が24.61㎜、女子が24.18㎜と、さらに長くなっていることが判明しました。

最新の研究では、一度伸びた眼軸が場合によっては短くなる可能性が報告され始めてはいます。ただ現状では、身長と同じで、一度伸びると短くなることはほとんどないというのが一般的な認識です。目の成長期は20歳くらいまで続きます。最終的にはどこまで伸びてしまうのでしょうか。

この2つの調査結果は、子どもたちの目に大きな変化が起きていることを物語っています。

ちなみに2022年調査では、中学3年生でメガネやコンタクトレンズをしている子の割合は男子で4割、女子で5割にも上っています。

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