このように、これまで日銀による政府債務の超大量買い上げなどを通じて、かつてないほどのマネーが民間市場に供給された。
ゼロ金利解除後も、過去に日銀が買い込んだ国債、株、不動産(リート)は、日銀からはなかなか売れない。
「マンション1億円時代」を生み出したカラクリ
過去の超低金利政策、なかでも2016年からのマイナス金利政策下では、日銀の手によって不動産や株などが買い込まれ、資産価格をつり上げる政策として力を発揮した。いくら金利を下げても、設備投資や人件費、研究開発など前向きな投資にはほとんど向かうことはなかった。
そしてそれは前例のないカネあまりと超低金利を生み、大量の資金が資産市場に大量に流れ込む。株価が上昇すれば、その「資産効果」でマンションなどの投資対象にもなる不動産価格も上がる。
株の上昇によって資産が増えた富裕層が、市場に厚みがあり流動性が高く収益が見込まれるタワーマンションなどを買いに動いたのだ。
もう、みなさんもお気づきだろう。
昨今の不動産価格の暴騰を招いた真犯人は、政府と日銀である。
そして、このマンション1億円時代には、悪性インフレの悪夢が同居している。
今後も、政府の借金を日銀に押し付ける懸念は悪性インフレを予想させ、お金を優良不動産や株に変えようという動きが、すでに始まっているのだ。
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