古い話だが、「仮面ライダースナック」「ビックリマンチョコ」などカードやシールが付いたスナック菓子が流行した時代、おまけが欲しくて菓子を捨てていた子どもがいた。「食べ物を捨てるなんて」と当時問題になったが、「付録バブル」に踊るオトナたちも、書店店頭で付録だけを取り出し、荷物になるからと雑誌本体の廃棄を依頼するケースもあったとメディアが伝えていた。
いつかはじけると思っていた「付録バブル」がついに崩壊したという感が否めない。
記事には「まとめ買いが減少」というサブタイトルがあり、「『何冊も購入する人が昨年より減った』」とのジュンク堂三宮店(神戸市)のコメントもあるが、「以前は雑誌なら色違いを揃えたり贈答用に買ったりする女性客が多かった。1人で20冊“大人買い”するケースもあったという」と、どうにも大人げない、買い方があまりまともだったとは思えないのだ。「付録バブル」に踊っていた消費者が、ふとその夢から覚めたのだ。
きっかけは東日本大震災にあるようだ。前出の出版科学研究所は「もともと雑誌は衝動買いが多い。こうした消費行動に震災がブレーキをかけ、付録付きにも影響が及んでいる」と指摘する。
一方で宝島社は依然強気のようだ。「地方など付録付きの需要を開拓する余地はまだある」とコメントしている。
記事は、「衝動買いを誘うカンフル剤としての付録効果はじわじわ薄れてきている。付録のみに頼らず、読者をつなぎ止めるコンテンツそのものの充実が、今後改めて問われることになりそうだ」と結んでいる。
さて、宝島社の見込みと日経の読み、どちらが正しいのか。
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