付録付き雑誌バブル崩壊!…では、どうする? バッグ付き雑誌というより雑誌付きバッグ?

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付録付き雑誌バブル崩壊!…では、どうする?《それゆけ!カナモリさん》

 

■バッグ付き雑誌。いや、雑誌付きバッグか……

 8月9日付日本経済新聞に「付録付き雑誌品定め厳しく 部数、今年はマイナス基調に」という記事が掲載された。

記事によれば、「出版科学研究所(東京・新宿)によると、雑誌全体の推定発行部数が5~10%のマイナスを続ける」という環境下で、女性向け付録付き雑誌は、「昨年に前年実績を4%上回る月もあった。だが、今年1~6月の部数は8.6%減。7.8%減だった同期の雑誌全体の減少率を上回った」という。特にムック(不定期刊行物)に限っては、「オリコンによると、昨年1~6月に25.1%伸びたムックの推定売り上げ部数も、今年同期間は3.4%減に。『付録付きの減少が全体を押し下げた』(オリコン)」と、雑誌界の救世主から、一転してブレーキ要因とされてしまっている。

雑誌不況を乗り切るために、日本雑誌協会が付録の流通に関する自主規制を緩和したのが2001年のこと。その後宝島社がブランドとのコラボレーションを開発して「付録時代」に突入した。20代向け女性月刊誌「sweet」の昨年10月号は過去最高の115万部を記録したという。

人気のヒミツは「価格」だろう。人気ブランド、高級ブランドのバッグやポーチなどが1000円前後で買える。しかも、ブランドショップには売っていない、その時しか手に入らないオリジナルだというから、みんなが欲しがるワケだ。ブランド小物が1型100万個の数量を作ることはあり得ない。価格のヒミツは「規模の経済」が効いているからだろう。

1991年のバブル経済崩壊後、「賢い消費」を模索してきた消費者も、ついつい「付録バブル」に踊ってしまった。消費者の書籍・雑誌離れに悩んでいた書店も渡りに舟と一緒に踊った。従来書店に足を運ばない層を取り込むという趣旨で、「書店内書店」として「宝島社専用売り場」を宝島社が持ちかけ、昨年4月に福岡紀伊國屋、9月に池袋リブロが開催した。

 

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