「頭の回転の速い子」が数学で得たスゴい思考の型 算数・数学の「頭の使い方」は日常生活に使える

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こんな感じですね。さて、ここまで考えた上で、数学ができる人は、「これらの要因を置き換えると、どうなるだろう?」と考えます。先ほどの数学の置き換えの要領で、これらの要因を文字で置き換えるのです。

例えば、「料理を作るのに時間がかかる」「注文が抜けてしまう場合がある」は厨房での料理スピードの問題ですね。これをAとおきます。

「注文を厨房に伝えるのが遅い」「厨房に伝達ミス」は厨房に注文を届けるまでの問題ですね。これをBとおきます。「届けるまでが時間がかかる」は厨房から料理を届けるまでの問題ですので、これをCとおきます。これをまとめて、置き換えて数式を作ると、

「料理の提供スピード」
=A(料理を作る時間)+B(注文伝達の時間)+C(料理を届けるまでの時間)

と考えることができます。

置き換えると「思考のモヤモヤ」が晴れる

数学ができる人は、パッと頭の中にこの数式を思い浮かべることができるのです。

これができれば、「じゃあ、提供スピードを改善するには、このA〜Cの要因のうち、まずはAを解決するために動こう」なんて具合に思考を進めていくことができます。こうすれば思考のスピードも速くなりますよね。

数学には、モヤモヤしたわけのわからないものを定義して置き換えることで、考えやすくする機能があると言えるのではないでしょうか。

いかがでしょうか? 

僕も昔は「数学なんて勉強して何の意味があるの?」と考えていた時期もありました。

しかしこうやって考えてみると、数学には無限の意味があると思います。みなさんもぜひ、参考にしてみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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