作文は「理系だと苦手」「文系が得意」という大誤解 算数が得意な子は大概「作文もうまい」納得理由

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国語と数学の教科書
文系だから作文が得意、理系だから作文は苦手――実は、そんなことはまったくない、といいます(画像:Graphs/PIXTA)
「算数から勉強をやり直して、どうにか東大に入れた今になって感じるのは、『こんなに世界が違って見えるようになる勉強はほかにない』ということです」
そう語るのが、2浪、偏差値35から奇跡の東大合格を果たした西岡壱誠氏。東大受験を決めたとき「小学校の算数」からやり直したという西岡氏は、こう語ります。
「算数の考え方は、『思考の武器』として、その後の人生でも使えるものです。算数や数学の問題で使えるだけでなく、あらゆる勉強に、仕事に、人生に、大きくつながるものなのです」
そんな「思考の武器」を解説した43万部突破シリーズの最新刊、『「数字のセンス」と「地頭力」がいっきに身につく 東大算数』が刊行されました。
ここでは、「算数や数学」が「論理的な思考」とどのような関係があるのか、解説してもらいます。

「算数と文章」の意外なつながり

みなさんは、文系と理系、どっちのほうが作文が得意だと思いますか? おそらく多くの人が「文系だ」と答えると思いますが、実は数学をきちんと勉強している人ほど、作文が得意な場合が多いのです。

「数字のセンス」と「地頭力」がいっきに身につく 東大算数: 「数字のセンス」と「地頭力」がいっきに身につく
『「数字のセンス」と「地頭力」がいっきに身につく 東大算数』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

これは、僕以外にも、かなりいろんな人が言っている話です。例えば以前、僕が大手予備校で大学受験生に国語を教えているトップ講師の方に話を聞いたところ、こんなことを言っていました。

「自分は国語を教えていて、生徒の大半は文系だ。当然ながら、その生徒が数学の勉強をどれくらいやってきたのか、受験科目として数学を使おうとしているのかどうかは、わからないままで指導している。

それなのにもかかわらず、その生徒が書いてきた国語の答案の文章を見ると、大体『あ、この生徒は数学の勉強をきちんとしているな』『この生徒は数学をやっていないな』というのは一目瞭然なんだ。それくらい、数学は、思考の仕方や文章の書き方に多大な影響を与える」と。

すごい話ですよね。「なんで算数や数学ができる人かそうでない人なのかが、国語の文章に表れるんだ?」と僕は不思議に思いました。でも、それからしばらくして東大の文系受験生に指導している際、「あ、こういうことか!」というのがわかったのです。

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