作文は「理系だと苦手」「文系が得意」という大誤解 算数が得意な子は大概「作文もうまい」納得理由

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文章を作るとき、あるいは物事を思考するとき、前後のつながりをしっかりと理解できていることが大切です。「AだからB、BだからC」という思考を繰り返して、「つまり、AだからC」というように頭の中を整理していくわけです。

そして、この「だから」の部分を学ぶのが算数・数学という科目です。

それなのに、最初から「AだからC」、またはもっと飛ばして「AだからZ」などと考えていると、頭の中がごちゃごちゃしてしまって、整理できないのです。

数学的な思考の重要性は、1つひとつの物事を「=」で整理する習慣が付くところにあります。これが、論理的な説明をするために必要なのです。

「論理的」とは「論理の法則に則っていること」ですね。そして論理とは、「AだからB」「BだからC」……という繋がりを理解することです。だからこそ、数学的な思考を鍛えるというのは、論理的な思考を鍛えることにつながる部分があるのです。

「必要条件と十分条件」は論理的な思考の第一歩

ちなみにこのような「2つの事象の関係性」について、高校の数学ⅠAでは真っ先に教えてくれます。「必要条件と十分条件」という話を覚えていますか? これは、AとBという2者の関係性が、必要なのか十分なのかということを指します。

教科書には大抵、こんな感じで書いてあります。

2つの条件p, qについて、命題「pならばq」が成り立つ時、pはqの十分条件、qはpの必要条件である。

具体例として、「冷奴」で考えてみましょう。目の前になにかの料理があります。もし、この料理が冷奴であれば、その料理は豆腐料理ですよね。

つまり、「冷奴 ならば 豆腐料理」が成り立ちます。

さて、目の前の料理が豆腐料理かどうかを判別したいとします。このとき、その料理が冷奴であれば、その料理が豆腐料理であることを十分保証してくれます。このことから、「冷奴」であることは、「豆腐料理」であることの十分条件だとわかります。

逆に、目の前の料理が冷奴かどうかを判別したいとします。このとき、その料理が冷奴なのか麻婆豆腐なのか味噌汁なのかはわかりませんが、少なくとも豆腐料理であることが必要です。このことから、「豆腐料理」であることは、「冷奴」であることの必要条件だとわかります。

こうしたことを勉強していると、「AならばB」という2つの関係性、つまりは「論理的な考え方」に繋がっていくのです。

「数学なんて勉強しても、なんの意味もない」「どうせ計算とか数字にちょっと強くなれる程度だろ?」と考える人も多いかもしれません。

でも、計算や数字を扱う部分以外のところで、論理的に物事を考え、論理的に説明する力が鍛えられるというメリットもあるのです。みなさんぜひ、参考にしてみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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