生成AI時代の人材「理系、文系」より大事なこと 技術だけでは新しいビジネスは生み出せない
資格取得奨励のように、知識習得にとどまるものは、適切ではありません。
適切な人材育成の方法の1つは、AIを活用した新規企画を検討するワークショップやハッカソン、社内ベンチャー公募など、実践する場を用意することです。
ただし、漠然としたアイデアを個人に提案させるものではなく、社内横断的に構成した有志によるチームで、ビジネスや社内施策として実現することを前提とした具体的なプログラムでなければなりません。
可能ならば、プロトタイプ開発も行なって、実現可能性が担保されたものが望ましいです。
よい企画であれば、実際にそのチームに権限等を与えて実用化させることが大きなインセンティブにもなります。
リソースの制約などにより困難だとしても、新しいタイプの人材の育成・獲得に舵を切らなければ、確実に淘汰される時代に突入しているのです。
経営層の積極的な関与が必要不可欠
生成AIの登場により、社会は本格的にVUCA(予測困難な状況のこと)の時代に突入しました。そのなかで企業が生き残っていくためには、時代に適応できる人材が必要です。
それには、新しいタイプの人材像やマインド・スタンスを明確にすること、人材の育成・登用・獲得の仕組みづくりと環境整備が必要です。そして、このような大改革には、経営層の積極的な関与が必要不可欠です。
また、そのような人材が社内でしがらみなく活躍するためには、経営層による積極的な理解と発信がなければなりません。
生成AIを積極的に取り込み、DXを推進して企業の成長につなげられるか否かは、まさしく経営層の判断とリーダーシップにかかっているといえるでしょう。
関西学院大学副学長、情報化推進機構長、AI活用人材育成プログラム統括、工学部教授。関西学院大学において、日本IBMと連携し、AI活用人材育成プログラムを開発。数理的な観点から、理論と実践に取り組む。特に離散数学や最適化アルゴリズムとその応用に関する研究開発を行なっている。AIの高度化、AIを活用するさまざまなアプリケーション、リアルなCG製作、AIドローン制御、ブロックチェーンなど、さまざまな応用領域において、数理的な研究から実用化まで幅広く手掛ける。
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