他人事ではない「水原一平騒動」に経営者が学ぶ事 問題点はチーム大谷のガバナンス欠落にある
まず本題に入る前に、チーム大谷を1つの会社として考えてみましょう。
大谷社長は得意の営業だけに集中、社長からの信頼が厚い右腕の水原氏は、営業以外の一切を切り盛りする体制が作られました。
その甲斐もあって、会社の売り上げは10年の長期契約で1000億円以上が確定。そのほかの提携案件も、年間数十億円の売り上げがあるほどに成長しました。まさに夢のような成長を遂げたわけです。
このように、社長を大谷選手、右腕を水原氏、営業を野球に置き換えれば、チーム大谷が10年で売り上げ2000億円近くを稼ぐ巨大企業であることが、わかると思います。
推定年間売り上げ200億円という点で、実際にある日本の企業と比較をすると、東証プライム上場会社である、システムサポート社の売り上げ規模とほぼ同じ規模です。
チーム大谷は、おそらく非常に高い利益率と成長率であると想定すると、売り上げ、利益率ともに超優良企業として上場できる規模だといえるでしょう。
訴状で明らかになったさまざまな実態
そのチーム大谷の経営実態が、アメリカ捜査当局による水原氏に対する訴状で赤裸々になりました。
英語がまだ堪能ではなかった大谷選手のために、通訳として球団から雇われていた水原氏ですが、訴状によると、球団との雇用契約とは別に大谷選手と契約を行い、“実質的なマネージャー”として日常生活を含めて大谷選手のサポートをしていたとのことです。
そんな水原氏が引き起こした今回の騒動は、大谷選手が銀行口座を開設した際に、水原氏が通訳として同行し、IDやパスワードの設定のときも同席していたことで、これらが漏洩したことに端を発します。
それだけではなく、巨額な送金の際に必要となる、「秘密の質問」と「答え」さえ漏洩していた結果、水原氏が大谷選手本人を装い、違法賭博の関係者への送金が行われました。
しかし、大谷選手は、本来は自分しか知りえないオンライン銀行のアクセスに必要なIDやパスワードを第三者に漏洩させてしまった後に、それらを変更することをしませんでした。
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