病気にかかるおカネ--最新治療と費用がわかる

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テーブルの上にうずたかく積まれた領収書の山--。2006年以来、乳がんの治療を続けている佐藤恵美さん(仮名、38)は、これまでに支払った医療費を電卓に打ち込んでみた。締めて400万円。
 
 「風邪をひいて病院にかかっても1000円かそこらだったのに、今や1回の治療に8万円、9万円が当たり前。病気になるまで、そんな世界があるなんて思いも寄らなかった」。

医療技術の進歩によって、かつては不治の病といわれていた病気が治るようになり、治療法の選択肢も広がった。QOL(生活の質)を維持しながらの治療も可能になってきた。
 
 一方で、医療にかかる費用は高額になるばかり。そして、多くの場合、そこに「値段」の表示はない。ある医師はこう言う。「どの医療を施すかは患者によってケース・バイ・ケース。一定の価格を明示するほうがかえって誤解を招く」。

だが、NPO法人「東京地域チーム医療推進協議会」の伊木宏氏は「現金で払える水準でない額になるのなら、事前に知らされていないと困る。あらゆる治療オプションの中から、自分が受けられる治療を安心して選ぶには、費用の事前開示が必要だ」と強調する。
 
 伊木氏は09年4月に、がん治療の選択肢とその費用を体系的にまとめたウェブサイト「がん治療費.com」を開設。がんの患者や家族に重宝されている。

自分や家族が病気にかかったら、まず「治したい」と強く思う。重篤な病気であるほど、命が助かることが最優先され、おカネの問題は二の次になりがちだ。でも、会計窓口では、請求書を容赦なく突き付けられる。自分にも家族にも生活がある。

佐藤さんが最初にがんと診断されたとき、主治医は大まかな費用の目安を教えてくれたが、それは3割負担でもとても支払える金額ではなかったという。


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