病気にかかるおカネ--最新治療と費用がわかる


その日の帰り道、病院で教えられたとおりに、訳もわからないまま社会保険事務所へ出向くと、ここで「高額療養費制度」という公的制度があることを初めて知った。この制度を使えば、1カ月の医療費が一定額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される。
 
 佐藤さんの場合、高額な医療費のかかった月でも、8万~9万円に収まることがわかった。

一生払い続ける費用 積み重なれば莫大な額

医療アクセスもよく、公的医療保険制度の充実した日本。極めて安価に最先端の医療が提供され、たとえ多額の費用がかかったとしても、生活への影響は最小限にとどめられるように思える。

が、それでも困ることがある。高額療養費制度を利用しても、還付は3カ月後だ。「結局、毎月立て替えが必要で、稼いでもすぐ飛んでいく。自転車操業状態」(佐藤さん)。今、佐藤さんは4週間に1回の抗がん剤治療を受けている。その費用は1回9万5000円。この8月は、治療の日が2回ある。その支払いが不安でたまらない。

病気になっておカネがかかるのは、がんに限ったことではない。吉田茂雄さん(仮名、53)は、35歳のときに糖尿病と診断されて以来、かれこれ18年間も治療を続けている。

最初の頃は、毎月通院して1種類の薬をもらう程度だったが、薬の種類はしだいに増え、8年前からはインスリン注射が始まった。糖尿病性網膜症などの合併症もあり、毎月の医療費は3割負担でも1万2000円。


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