要はこの機能、PC上でやっていることを記録して検索可能にすることで、「PC作業中の物忘れ」をカバーするものなのだ。
Recallを実現するために、マイクロソフトは2段階の処理を行う。
まず定期的かつ自動的に、PCの画面を画像として保存する。そして、その内容をAIが解析、含まれる情報を「検索のためのインデックス」として記録する。AIが作った「この時間には画面にこんな内容が表示されていた」という情報をもとに、記憶を甦らせる助けを検索する……という仕組みだ。いままでのファイル検索などとは考え方が大きく異なる。
プライバシー保持のカギとなる「オンデバイスAI」
Recallがどのくらい実用的なのか、現状では判然としていない。発表イベント会場でも短時間試すことはできたが、蓄積されていた情報はごく少ないものだったので、なんとも判断がつかない状況だったからだ。
とはいえ、Recallの考え方自体は非常に面白く、画期的なものだ。同じような機能を実装する試みが過去になかったわけではないが、WindowsというメジャーなOSにコアな機能として搭載されるのは大きな変化と言える。
一方で、こうした機能を考えるとき、誰もがプライバシーや機密保持を気にするだろう。PC上の作業が記録されていくということは、PC上の操作をのぞかれているような感覚を持つからだ。
ここで重要になってくるのが、Copilot+ PCの持つ「オンデバイスAI」という特性である。
オンデバイスAIとは「機器の中だけで動作が完結するAI」という意味だ。ChatGPTは賢いAIだが、処理はネットワークの向こうにある「クラウド」で行われている。処理のためにはデータをクラウドに送る必要があり、ここにプライバシー保護上の弱点が生まれる。
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