5浪で悟った「身の程」早大卒の彼が捨てた拘り 苦学の道を余儀なくされ、新聞配達を続ける

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「浪人するからにはいいところに行こうと思っていた」と語るホリ・ホーリーさんでしたが、残念ながら成績はそこまで伸びず。偏差値は50を超えたものの、志望していたGMARCH(学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)や早慶レベルには届きませんでした。結局、早稲田・慶応・上智・立教・学習院の文学部を5つ受けて全落ちでした。

「ハイレベル私立文系コースを選んだのですが、高望みしすぎていました。予習、復習はずっとしていましたが、内容が難しすぎて、わかったつもりになっているだけでした」

こうして全落ちで2浪目に突入したホリ・ホーリーさんは、この年も新聞奨学生を続けながら同じ予備校に通い、同じような生活を続けます。

しかし、「変にできる自信がついたからハイレベル私立文系コースより上の早慶コースにした」というように、さらに実力に見合わない高望みをしてしまったため、成績もほとんど変わらず、早稲田・上智・立教・学習院の文学部を4つ受けて、この年も全落ちしました。

「今思えば何やってるんだという感じですね……。自分は偏差値が高いところに行きたいのですが、それに見合った授業を受けられていなかったんです。意地っ張りで、受験以外のことは考えられないくせに、ほかの道に一歩踏み出す勇気がない受験生でした」

こうして彼は3浪目もまったく同じ生活を続けます。多少成績が上がり、偏差値55に到達はしたものの、前年と同様に受験した早稲田・上智・立教・学習院の文学部は全滅。

ただ、追加で受けた偏差値50未満の滑り止めの大学には、ついに合格することができました。しかし、彼はこの大学の入学を辞退して4浪を決意しました。

「初めて大学に受かったのでとても悩んだのですが、今まで行きたいと思える大学だけ受けて滑り止めを避けてきたのに、ここで妥協して大学に進んだら一生後悔するだろうと思ったんです」

名物講師にも顔を覚えられた

4浪目も、意地で代ゼミの早慶コースに通い、吉野敬介先生や富田一彦先生に顔を覚えられたというホリ・ホーリーさん。

「ずっと最前列に座っていましたし、先生方は『今年もいるのか(笑)』という反応でした。もう呆れられていましたね。大学に行って当たり前だと小さいときから言われ続けたので、さすがにそろそろ行かなきゃかっこ悪いとは思っていました。

でも、効率悪いやり方をしていても、勉強はずっと続けていたので、ようやく成績が伸びてきたんです。この年は偏差値60に届くくらいになって、模試でたまに明治・中央・法政あたりはD判定が出るようになりました」

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