5浪で悟った「身の程」早大卒の彼が捨てた拘り 苦学の道を余儀なくされ、新聞配達を続ける

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ホリ・ホーリーさんは神奈川県の藤沢市に生まれ育ちました。両親ともに大学を出ており、父親は会社員、母親は看護師だったようです。教育熱心な家庭だったそうで、小学校までいろんな習いごとをさせてもらっていたと彼は語ります。

「小学校までに水泳、ピアノ、絵画などを習わせてもらいました。勉強面でも小学校5年生から中学受験用の塾に通い、中学受験の勉強をさせられました。

ただ、当時はとても勉強が嫌いで、いつも親の顔色をうかがいながらやっていましたね。学校での成績は真ん中よりちょっと上だったのですが、塾では落ちこぼれでした。小6の後半から少しずつ勉強ができるようになりましたが、私立の中学を2つ受験したものの落ちてしまい、地元の公立中学校に進みました」

勉強をさせようとする親からの圧

中学に入ってからも中の上の成績をキープしていましたが、勉強は好きにはなれないままでした。

このころから、勉強をさせようとする親の圧が強くなったようで、それが彼にとってはとてもつらかったそうです。

「小さいころの我が家はそこそこ裕福でしたし、大学に行くのが当たり前だと言われる環境でした。もともと私はぜんそく持ちで体が弱く、体を使う仕事が無理だと思ってくれていたからこそ、勉強して立派な大学に行かせようとしてくれていたのだと思いますが、私にはそれが息苦しくて嫌でしたね」

ホリ・ホーリーさん自身は、高校に進むときも公立の学校に進学したいと思っていたそうですが、大学への進学率を考慮した親の意向もあって、私立高校の受験をすることになります。

中学の教員からは、私立専願のほうが合格しやすいとアドバイスを受けたこともあり、市内の私立中堅高校のみ受験し、合格することができました。

このころの彼は、逸見政孝さんや福澤朗さんが好きで、アナウンサーになりたいと思っていたそうです。

そのため、彼らが出た早稲田大学に漠然とした憧れがあり、勉強もそれなりに頑張っていました。その一方で、高校に入っても親からの「勉強しろ」という圧は続いたため、ホリ・ホーリーさんは、この3年間で親元を離れるための方策をひたすら考えるようになります。

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