「アメ横」象徴だった鮮魚店が激減しカオスな街に 中国系が進出し400近い店舗の構成が大変貌

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戦後80年近い歴史を誇るアメ横のルーツ

アメ横の歴史は古い。敗戦後、焼け野原となった一帯で誕生した闇市がルーツ。多くの闇市は的屋が仕切っていたが、アメ横は満州からの復員兵400人が共同体、連合会を形成して出店を統制したという。

上野側は飴玉を売る店が多かったことから「飴屋横丁」、御徒町側はアメリカの舶来品が多かったことから「アメリカ横丁」と呼ばれ、いつしか「アメ横」と呼ばれるようになったという。

時の流れとともに街の景色も移ろい、その姿を変えていく。アメ横も例外ではない。このまま多国籍化、カオス化が進んでしまうのだろうか。そんなことを考えていたら、千葉さんが最近の新しい潮流についてヒントになるかもしれないと、こんな話をしてくれた。

「連合会の事務局も入っているアメ横プラザが、このほど初めて新規テナント出店を公募したんですよ。短期のイベント利用、期間貸しにも対応するということをホームページ上に記して、連絡先を表示しました。そうしたら、数十件の問い合わせがありました。若い方も多かったですね。今後、若い人たちがさまざまな仕掛けの場としてアメ横を活用して、新たな文化発信の場となっていく可能性を感じています」(同)

中国、台湾などアジア系の飲食系ショップが乱立するカオスな飲食店街となっていくのか、はたまた若手アーティストが新たなアメ横文化を創造していくのかーー。アメ横の今後の変貌に注目していきたい。

山田 稔 ジャーナリスト

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やまだ みのる / Minoru Yamada

1960年生まれ。長野県出身。立命館大学卒業。日刊ゲンダイ編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会、地方関連記事を執筆。雑誌『ベストカー』に「数字の向こう側」を連載中。『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』『分煙社会のススメ。』(日本図書館協会選定図書)『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』などの著作がある。編集工房レーヴのブログでは、最新の病状などを掲載中。最新刊は『60歳からの山と温泉』(世界書院)。

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