「株価暴落」引き起こしてしまう意外な"きっかけ" 金融危機のきっかけとなった市場急落のケース

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⑤政策変更……政策変更などが株式市場や為替市場などに大きな変動を与えることがよくある。つい最近のドル円相場への為替介入も、市場には大きなボラティリティ(変動幅)をもたらした。日銀の金利引き上げが間近に迫っていると予想する専門家が多いが、金利引き上げによって、本当に円安は止まるのか。円安が止まらなければ、再び財務省は為替介入を行うことになり、日本の外貨準備は徐々に減少していくことになる。

⑥投機筋……かつて英国のポンド危機を演出したジョージソロスはヘッジファンドを舞台にして、ポンド下落を仕掛けた。政府がやれば為替介入だが、ヘッジファンドがやればまた違った呼び方になる。現在のドル円相場も、政府が為替介入に入る前は、史上最大規模のドル買い円売りの先物ポジションが積み重ねられていた、と報道されている。暴落に至るかどうかはともかく、ヘッジファンドなどの投機筋は、常に市場の大きな変動を仕掛けていると思ったほうがいい。

現在の割高な株価は暴落するのか?

さて、問題はいまの株式市場をはじめとして、ドル円相場、金相場、暗号通貨市場などなど、いずれも史上最高値圏に近い状況が続いている。言い換えれば、「暴落する環境は整っている」と言ってもいいかもしれない。

未来のことは誰にもわからないが、株式市場であれ、債券、ドル、金、暗号通貨であれ、それぞれ影響しあって、成立している微妙な「高値圏相場」が続いている。さすがに暗号通貨が暴落しても、株式市場まではその影響はないかもしれないが、市場規模の大きさにかかわらず、こういう状況では投資家に不安心理を抱かせる動きがあったときに、金融危機がやってくる。

金融危機の中で「ショック」という名がついているモノがいくつかあるが、これまで、さまざまなショックを見てきたことでわかるのは、誰も予想してなかった事態が金融危機を招くことがよくあると言うことだ。最近は、需給が改善したということで、プラチナ相場まで上昇をし始めている。市場の暴落は、ごく一部の投資家だけが願うところだが、常に警戒を続けるしか方法はなさそうだ。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

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いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

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