次に、年代別にどんな支出の割合になっているのかを見てみましょう。
グラフを見ると一目瞭然ですが、30代では住宅費が34.6%と突出して高いのが分かります。恐らく、自宅を購入したのだと思われます。30代で自宅を購入する人が多く、40代、50代というように歳を重ねるにしたがってローンの返済が進み、支出における住宅費の比率が下がっていくわけです。
逆に、年齢が上に行くにしたがって、どんどん割合が増えていくのが食費です。60歳以上では37.4%にもなっています。
本当なら、歳を取るほど食べる量が減るので、食費は下がると思われがちですが、むしろ増えていますね。
これは、食事におカネを掛けるようになるのと共に、子供が孫を連れて遊びに来て外食などをする時、食費は親持ちになるからと思われます。趣味や娯楽も、定年になって時間の自由が増えるため、それに費やすおカネが増えると考えられます。
ちなみに教養・教育費については、40代、50代で山を作っているのに要注目です。40代、50代になると、子供がそろそろ大学などに入学するため、教育費に掛るおカネが増えるのです。冒頭で、無意味な幼児教育でおカネを使うくらいなら、この時期に合わせておカネを貯めるようにした方が良いでしょう。
このように年代別の支出の推移を見ていくと、年齢が上がっていくにしたがって、どのような資金計画を立てていけば良いのかが見えてきます。
歳を取ったらきっちり管理したい「3つの支出」
歳を取るにつれて増えていく支出は「食費」、「趣味・娯楽」、「交際費」です。現役時代に築いた資産の取り崩しを少しでも抑えるためには、特に定年後、この3つの支出をうまく管理できるかがポイントになります。また住宅費は徐々に低下していくものの、「教養・教育」にかかるおカネが40代、50代で一山つくるので、結婚した人は、なるべく早いうちから貯蓄を進めるとともに、幼児教育の見直しをしましょう。
親の見栄で習い事をさせるのではなく、子供が自分からやってみたいと言うものだけに絞り込んでいけば、子供が小さいうちにかかる養育費は、意外と安く抑えられるはずです。
そして支出全体を見直すためには、いかに固定費を削減するかに尽きます。具体的には住宅と保険の見直しをすることです。保険は最低限の保障があれば良いので、保険料の安い掛け捨てタイプにするか、もしくは一切保険は使わないという手もあります。住宅を購入した人は、繰り上げ返済などを活用して、できるだけ早く負担を減らしましょう。
このように、支出を削減するポイントをしっかり押さえておけば、月々のキャッシュフローから支出を差し引いた残金がより大きくなるので、老後に向けた貯蓄もやりやすくなるはずです。
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