「治療3年待ちのぬいぐるみ病院」求める人の真意 約3万人の"患者"を治療、まもなく「産婦人科」も開設
「人間の家族と同じくらい、『ぬいぐるみにも命の価値がある』という思いを強く持って日々業務にあたっています」と語る堀口さん。今後ぬいぐるみ病院で取り組んでいきたいこととして、「ぬいぐるみの新しい家族を探す“里親探し”のようなマッチングサービス」を挙げる。
「新しい家族が見つかっても転売される可能性もゼロではありません。里親を希望される人のヒアリングを徹底したりなど、充実した内容にするために日々検討を重ねています。
また、ぬいぐるみを依頼者のニーズに応じて誕生させる『産婦人科』サービスもまもなく実施します。
以前、男性の利用者と話している時、幼少期に大好きだった猫のぬいぐるみを持っていたものの、友達から『男なのにぬいぐるみを持っていて気持ち悪い』と馬鹿にされ、その男性は恥ずかしくなってそのぬいぐるみを捨ててしまったそうです。
しかし、大人になった今でもその罪悪感が消えず、そして『もう一度そのぬいぐるみに会いたい』と切に訴えていました。ですので、『思い出のぬいぐるみを蘇らせたい、もう一度会いたい』と思う人に病院として応えるサービスとして産婦人科を始める予定です」
目指すはオールインワンの総合病院
多岐にわたるサービスを提供するぬいぐるみ病院だが、堀口さんは「利用者の中には『洋服を作ってほしい』というオーダーが多いため、“おもちゃのアパレル”を手がけている企業とコラボできたら」とさらなる構想も明かす。
「ぬいぐるみ病院でもパジャマを作成することはあるのですが、基本的には治療に専念しているため、どうしても洋服作成のニーズまでは対応することが難しい。
『治療してほしいし、新しい服も着せたい』という要望を一緒に叶えてくれる企業と協力できれば、よりぬいぐるみを大切にしたいと思える人は増えると思っています」
“ぬいぐるみファースト”の堀口さんが目指すのは、オールインワンの「ぬいぐるみ総合病院」のようだ。
望月悠木:主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki
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