「治療3年待ちのぬいぐるみ病院」求める人の真意 約3万人の"患者"を治療、まもなく「産婦人科」も開設

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
堀口こみちさん(提供写真)

なぜ、ぬいぐるみのケアサービスを始めようと思ったのか。堀口さんは「私自身、ぬいぐるみに心を救われた過去があるからです」と振り返る。

「私は幼少期から引っ込み思案な性格をしているため、イジメにあうことも珍しくなかった。ひどく傷つくことも多々あったのですが、その時に私の心を支えてくれたのがぬいぐるみでした。

また、24歳の時にプライベートで精神的に辛い出来事が起きた結果、眠れなかったりご飯を食べられなかったりしてしまったんですが、ぬいぐるみが私の心の拠り所になってくれて本当に救われました。

そのため、『ぬいぐるみに命を救われた経験を持つ人、優しく繊細な心を持つ人を守りたい』という思いから開院を決めました」

「病院」という形態にしたワケ

「病院」というコンセプトでぬいぐるみケアに取り組むことになったのは、堀口さんの前職が無関係ではないという。

持ち主のメッセージに囲まれて入院するぬいぐるみ(堀口さん提供)

「起業する前は医療機器メーカーに勤務していました。そのメーカーではレントゲン撮影の機器しか販売していなかったのですが、社内の企画で『“心の健康をサポートする”という意味でぬいぐるみを販売してはどうか?』と提案したところ、その企画が通ってネットショップが開設され、ぬいぐるみを販売するようになりました。

ネットショップの運営を任されたのですが、ぬいぐるみを“物”として扱うことにどこかモヤモヤしていたんです。そのため、ぬいぐるみが売れた際、一般的なネットショップでは『商品が発送されました』というメールを購入者に送ると思いますが、私の運営していたネットショップでは『ぬいぐるみさんが出発しました』という内容にしていました。また、物ではないため“在庫”という表現も禁句にしてました」

ぬいぐるみは「尊厳を持つ存在」として扱われるべき。そんな思いが病院という形態につながった。堀口さんのぬいぐるみに救われた過去とネット販売を通して培った経験が、現在のぬいぐるみ病院の礎になっている。

ぬいぐるみ病院では、どのような流れで依頼を受けるのだろうか。

「顔の変化など細かい部分は希望通りにならない可能性があります。治療内容や結果について事前に納得してもらったうえで、承諾書を書いてもらうのが現在の流れです。もちろん、希望に添えるように私たちも全力を尽くします」

次ページ「産婦人科」サービスもまもなく実施
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事