このようになってしまう原因は、「物事を抽象化して理解できていない」という点にあります。ご友人の言う「理解」は「丸暗記」であって、真の理解ではありません。そう、「じゅげむじゅげむ……」の呪文を覚えている「じゅげむさん」なのです。むしろそんなに理解できていない状態で黙々と勉強を続けられる胆力がすごい。
具体的な例を挙げます。「4×(3+1)=?」という問題があったとしましょう。これを「この問題では3と1を先に足して、それに4をかける」と単に認識するのか、もう1つ抽象的なレベルで「四則演算では掛け算・割り算は足し算・引き算より先に計算するのが原則だが、カッコがあるときはそれを先に計算する」と認識するのかによって、応用の可能性がまったく違ってくるわけです。
つまり、前者の覚え方では、「4×3+1=?」という問題に対応できないことになります。これは過度に単純化した例ですが、抽象的なレベルで物事を理解していないと、まったくもって応用が効かないわけです。
先入観やヒントをなくし「まっさらな」復習を
こういう人は授業を聞いても馬耳東風、右から左へお経のように通りすぎてしまいますので、完全に時間のムダ。どうせ聞き流すなら、ドライブでもして流行りの「ゲスの極み乙女」でも聞いた方がよほどましです。
そして結局、授業の内容を理解していない状態で問題を解くので、解けるはずもなく、答えを「暗記する」問題演習になってしまうわけです。なので、やってもやっても実力がつかない。
恐らくは、「あのページの左上に書いてある問題の答えは、③」「自分がこのメモを書いている問題の答えは、ア」みたいな覚え方をしているのではないかと思います。心当たりある方、いますね?
極端な例だと、自分の手垢やコーヒー染みの付き方とともに答えを暗記してしまう勉強になってしまいます。このような勉強だと、問題の順序や見た目を変えられただけで正解できなくなってしまうのです。
私は、自分が受験勉強をしていたときには、そうした本質的でない周りの要素によって答えを「覚えて」しまわないよう、全体を改めて復習するときには、新しく同じ問題集を買っていました。
過去に勉強した自分のしるしが目につくと、なんとなく答えを「覚えて」しまっていたので、まっさらな問題集を買うことで先入観やヒントをなくし、本当にその問題を理解できているか試していました。
このように、まずは自分が「不適切な暗記型の勉強」をしていることに気づくべきです。では、「丸暗記型」学習をしている方の場合、どのような学習が適しているのでしょうか。
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