人は損する可能性があるゲームをしない
人は、高配当が見込めても危険な賭けを避けたがる。儲かる喜びよりも、損失を出す心痛のほうが大きいからだ。
株式市場と似たところのあるコイン投げの賭けを想像してみよう。表が出たら10ドルもらえるが、裏が出れば損をする。損がいくらならゲームをやってもいいと思うだろうか?
資金に余裕があり、長時間ゲームを続けられるなら、裏が出たときに9.99ドル損しても問題ないだろう。くり返しすればコインを投げるたびに平均0.01ドル儲かることになるからだ。
ところが、たいていの人は5ドル程度と答える。0ドルと言う人も多い。要は、損する可能性があるなら、ゲームをする気などないのだ。
損失のリスクはどんな合法的な投資にもつきものである。こうしたリスクを嫌う人々がバーニー・マドフの提案に群がった。それは、負ける年のない細く長く安定した年間リターンだった。


















