日銀がこれほどまで円安を「無視」する3つの理由 「為替は管轄外」では、結局うまくいかない?

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アメリカの3冠は、この5月第1週のケンタッキーダービーが1冠目だが、その後はなんとたった中1週でほぼ同距離のプリークネスステークスが行われ、さらにそこから中2週でベルモントステークス(距離2400メートル)が行われる。英国や日本と違い、たった約1カ月のうちに3冠レースを行ってしまうのである。

日本では平成バブル時だった、1989年のサンデーサイレンスとイージーゴアの宿命のライバル対決は見ものだった。だが、こんなタフな日程では、3つのレースに有力馬がそろって参戦するということが実現するのはほぼ不可能である。

また、2冠を獲ってもあえて回避する場合もあるが、いざ2冠を獲って3冠目に出ないとプレッシャーがきついため、2冠目のプリークネスはパスする陣営も多い。だから、2歳でチャンピオンになって3歳時にダービーを勝てばそれがすべてで、あとのレースはどうでもいいというのがアメリカの競馬なのである。

ケンタッキーダービーは日本馬応援、「NHKマイル」は一騎打ち

前置きが少々長くなったが、このケンタッキーダービーに日本のフォーエバーヤングが有力馬として参戦する。こんな日がくるとは感慨深いが、しかし前述のように、アメリカの関係者はとてつもなく全力なので、フランスの凱旋門賞を勝つよりも難しいことだと思う。日本時間の5月5日は彼にとっては非常にタフな日になるだろう。応援したい。

一方、同日の日本では3歳馬が対象のNHKマイルカップ(芝の1600メートル、G1)が東京競馬場で行われる。同歳を対象とするクラシック3冠の1冠目、皐月賞で惜敗したジャンタルマンタル(8枠16番)と、桜花賞で惜敗したアスコピリチェーノ(7枠14番)の一騎打ち。大変興味深い。

キングカメハメハが2000年に成し遂げたNHKマイル、日本ダービーの「変則2冠」は偉大だ。だが、アメリカ3冠に比べれば、間隔が開いているので、今後も変則などと言わずに、皐月賞、NHKマイル、日本ダービーの3冠を取る馬が出てきても、本当はいい気がする。現在のレース間隔を開ける流れからは、とても実現しそうもないが。

※ 次回の筆者はかんべえ(吉崎達彦)さんで、掲載は5月11日(土)の予定です(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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