「歩きスマホ」の習慣がもたらす想像以上の悪影響 人にぶつかるだけでは済まない「深刻な事態」も

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もちろん、自動車の運転も同様です。実際に、大型自動車やバスなどの免許を取る際には普通の視力検査とは別に「深視力」の検査があります。

深視力とは、遠近感や立体感、奥行きを捉える能力のことで、大きな車の運転には両眼視機能が重要と考えられているのです。

この深視力については、行動評価システム研究所がスポーツビジョンと呼ばれる8項目とアスリートの競技力との関係を調査したところ、深視力による差が最も大きかったとも報告されています。

たとえ視力が1.5でも文章が読めなくなる

あなたは今、この文章をスムーズに読めていると思います。

左から右へと視線を動かして文字を読み取り、次の行へピョンと飛んでまた下へ。スラスラと読めるはずです。でも、こんなふうになってしまう人もいます。

● 行を飛ばして読んでしまう
● 同じところを何度も繰り返して読んでしまう
● どこを読んでいるかわからなくなる
● 指でなぞりながらでないと読めない

これは視力の問題ではありません。

たとえ視力が1.5だろうと2.0だろうと、先ほど述べた両眼視機能などの「視覚情報を分析し、認知・判断・理解する機能」に問題があると、このような症状が起こりえます。

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文章がうまく読めないのですから、集中できないうえに、読むだけで疲れてしまいます。

当然、学習の効率は悪くなるでしょうし、やる気がなくなってしまうこともあるでしょう。

算数の計算は得意なのに文章題が解けないということもありえます。

文章が頭になかなか入ってこず、計算に取り掛かるのが遅くなってしまうわけです。

スマホが手元にあるだけで集中力が削がれるなどとよくいわれますが、スマホは見る機能を弱めることで間接的に子どもの勉強を邪魔していることもあるのです。

松岡 俊行 医学博士、眼科専門医

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まつおか としゆき / Toshiyuki Matsuoka

1992年京都大学医学部医学科卒。1996年京都大学大学院研究科、2001年10月、ロンドン大学UCL(University College London)客員研究員。京都大学大学院在学中に「Science」に、ロンドン留学中に「Nature」に論文掲載。2008年、京都大学 大学院 医学研究科准教授。2019年、大阪府吹田市に江坂まつおか眼科を開業。2021年、医療法人アメミヲヤ設立。2022年、「近視の撲滅を目指す Dr.まつおか」YouTubeチャンネル開設。

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