「ブラザー工業のTOB案」にローランドDGが大反論 DG常務「傘下に入ると営業利益が50億円下押し」

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MBOを表明する前の当社の時価総額は400億円前後。社内には約100億円のキャッシュがあった。すると実質的な企業価値は300億円前後。一方で当社はEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で年間70億~80億円ほど稼いでいる。

つまり時価総額の400億円前後で当社を買収しても、4年ほどで買収資金を回収できる。極端にいえばハゲタカファンドに買収されて事業を切り売りされる可能性もあった。それを避ける防御策として、しっかりと企業価値を高めなければならないと、社長とずっと会話をしていた。

MBO資金の回収は十分可能

――銀行からの借り入れも駆使してMBOを行う計画です。借金は今後の重荷になりませんか。

事業で実績を上げて、最後はキャッシュを回収するところまで持っていく。2年後、3年後、5年後と将来の企業価値を試算して向上できるメドが立ったからこそMBOに踏み切っている。(独立社外取締役から構成される)特別委員会でも検証し、戦略の実効性は十分あると判断した。

タイヨウが引き上げたTOB価格5370円でも十分回収可能だと判断している。それこそ7000円、8000円といった価格なら妥当ではないだろう。会社がもたない。株主にとっては利益になるが、そのようなことは経産省の指針に沿わない。

――MBOで企業価値を向上させた後は再上場する考えなのでしょうか。

現時点で私から回答することはできない。出口戦略については社長やタイヨウが今まさに議論しているところだ。当然、選択肢としては上がってくるだろう。可能性は十分あるかなと思っている。

吉野 月華 東洋経済 記者

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よしの・つきか / Tsukika Yoshino

精密業界を担当。大学では地理学を専攻し、微地形について研究。大学院ではミャンマーに留学し、土地収用について研究。広島出身のさそり座。夕陽と星空が好き。

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