家づくりの基本は間取りではなく場取り--『「おひとりさま」の家づくり』を書いた天野 彰氏(建築家)に聞く


──そもそも設計士とどう知り合えばいいのですか。

地域の協会などで目星をつけるのでもいい。町の小さな診療所でも総合的な診断ができるように、よい家を手掛けている設計士や建築家は土地土地にいる。過去の施工例を見せてもらい、家づくりで工夫していることは何か。何かと調停役になってくれる人がいい。

デザインにどうのこうのと重きを置く設計士はやめたほうがいい。手掛けた数ではなく、困った例を話してくれる建築士がいい。安心して住める家を造ろうとするなら、失敗例から改善は始まるからだ。初めのうちの打ち合わせなら気軽に断ってもいい。

家づくりの予算はピンからキリまである。坪50万円ないとできないと答えるような設計士は避ける。割安に造る方法はいくらでもある。間仕切りを造らない「体育館住宅」をまず造って、必要に応じて間仕切りをする。内装やくくりつけ家具、豪奢な水回りといったものをたくさんやると高くなる。

──家づくりには、家相や鬼門が付きもののようです。

人が5人寄れば、うち4人は家づくりで家相を気にする。家を造るとなると、本人は気にしていなくても、周りからいろいろ言われる。トイレが鬼門に当たっている、北玄関はよくない……。そういう、忌み嫌われるものは最初から避ける。

家相は、本来は仮想といえるが、今の時代は仮想空間の中で実用を考えないといけない。北東に魔物がいるという想像の世界から(正)鬼門ができている。由来を調べると、古代中国で騎馬民族が攻めてくるのが北東の方向。現代的には地域によるが、冬に北東から冷たい風が吹き、大火を招く。そこにキッチンがあれば火が家中に燃え移りやすいとか。西南の(裏)鬼門はここにトイレを置くと夏には家中ににおいが立ち込めるとか。いろいろな歴史事象や自然現象と結び付いて語られる。

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