子の自己肯定感育む「親の言葉かけ」誤解なき方法 石田勝紀×天野ひかり「子育て」対談ー前編ー
天野:お母さんの言葉かけは本当に完璧で、教科書に載っているようなお手本ですね。お子さんも間違えるのが良くないことはわかっている。
こういった言葉が効かなくなってきているのは、お子さんの成長が次の段階に入ったので、親の言葉かけもバージョンアップしていくといいのかなと思います。
間違えたところに触れず、「できた問題」に注目するのがいいでしょう。「よくこの問題解けたね。去年できなかったのに1年間努力したんだね。すごいね」という言葉かけを心がけていただくといいですね。
自分のこととして考えるとよくわかります。
たとえば夕飯作りでがんばって5品作りました。でも宅配便が来たりあれこれあって、5品のうち、2品が失敗してしまいました。
そのとき家族に「あれ、このお味噌汁、ちょっと濃いね。でもママだったら大丈夫。明日には成長できるよ、また明日がんばろうね」と言われるとします。
次の日も「あれ、この肉じゃが、ちょっと固いね。でも大丈夫、失敗こそがチャンスだよ、次はうまくいくからがんばろうね」と言われたらどうでしょう(笑)。
最初はがんばれても、だんだん「もう今日は作りたくない!」ってなりませんか?
それよりも「このタケノコご飯おいしいね。お味噌汁はちょっと濃いけど、タケノコご飯はすごくおいしいね!」と言われたほうが、ずっとやる気になりますよね。
バツはいらない、マルだけでいい
石田:なるほど。料理もおいしいところを褒めて、それ以外は見ないようにするのは大事ですもんね。子どもの勉強についての声かけもそれと同じですね。
あとは、間違いを嫌がるのは、マルとバツの印象が関係しているのかもしれません。バツという形はいかにも「お前バカ」と言われているような感じがしますからね。
私は、小学校高学年くらいまではマルだけでいいと思っています。
僕がやっていたのは、子どもたちに間違いを発見させて、それがわかったらマルが増えるというもの。そういう感じにすると、子どもたちも間違いを正そうという姿勢が根付いてきますよ。
天野:なるほど。間違えるって、自分ができてないところを発見する第1段階ですものね。バツじゃないですね。
石田:中学生くらいになると、もっと理屈が通用するので、「マルはもともとできていたから成長していない。間違ったものができるようになった瞬間に頭が良くなっている」と説明します。
バツ、つまり間違いは宝なんだと。そうすると間違いを積極的に認めて自分で修正し出します。
天野:いいですね。昭和・平成の時代は正解が1つでしたが、これからは正解は1つじゃない。いろんな解があっていい。
そういう子どもたちを育てていかないとAIに勝てる子には育たない時代に入ったので、テストの問題もバージョンアップしていく必要がありますね。
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