「特にこれがやりたいとか、大企業に就職したいとかなくて、雇用する側の目線で自分には何ができるかなと探していましたね。この時は自身で会社を経営してきたり、ゴルフ仲間の経営者の方たちに話を聞いていたことが就職活動ですごく活きたかなと思います」
大学卒業後は横浜に出て、注文住宅を設計する部署に配属された。
大学時代、海外旅行やゴルフというキラキラした面があると同時に、実はもう一面では、大学では作業着でコンクリートを練り、構造強度の勉強をしていた。
大学受験に疲れていたとはいえ、勉強はもともと好きで現場作業を学ぶのも楽しかったというわけだ。
社会人1年目で感じた疑問、そして地元石巻が被災
だが、社会人になり早くも奥田さんには、ひとつの疑念が生まれる。
「頑張っても頑張らなくても同じ給料だから、なんか時間がもったいないなと思ってしまって」
それもそうである。奥田さん自身は学生時代に自ら営業に回り、売り上げをあげて稼いできた。自身の頑張りがそのまま自分の給与に反映することを経験している。
だからこそ、企業の一社員としての日々はしっかりこなすものの、どこか空虚なものに思えた。
そしてこの頃、大きな転機と出来事が2つ起きる。1つは結婚。そしてもう1つは東日本大震災だった。
震災により甚大な被害に遭った地元、石巻。
不幸中の幸いで家族はみな無事だったが、祖母の家が流されたりと大変な状況となった。
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