奥田さんの原風景は宮城県石巻市にある。
祖父は代々続く米屋を営み、父は港湾の仕事をしていた。
特に学業に厳しいという家庭環境ではなく「勉強をしなさい」と言われたことはなかったという。
小さい頃から勉強は好きで、自然と成績は伸び、仙台の進学校への推薦入学を決めた。
奥田さんの最初の大きな転機があったのが、この高校進学だった。
入学式の日に「あっ、違うな」と思った
「『あっ、違うな!』と思ったのが入学式の日でしたね。友達を作ろうと思って教室のドアを開けた瞬間、みんな参考書を開いて勉強しているんです。初日ですよ。その瞬間に私はとんでもないところに来たんだってなりました」
進学校であれば、当然の出来事なのかもしれない。だが、石巻の田舎ならではの時間と雰囲気の中で育ってきた奥田さんにとっては、衝撃の光景に映った。
勉強は嫌いではないし好きだが、すべての時間をそれだけに費やすというこの感じが自分自身には合っていないと感じながら高校生活を過ごすことになる。
そんな学校生活の中、高校2年生の夏にカナダのバンクーバーへの短期留学に行くチャンスを得た。たった数週間の短期留学。
この経験が後の礎となった。
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