週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ライフ #動的平衡ダイアローグ

宇宙のどこかに人間みたいな生命体がいる必然 宇宙物理学者・佐藤勝彦×生物学者・福岡伸一

10分で読める
  • 福岡 伸一 生物学者、青山学院大学教授、ロックフェラー大学客員教授
  • 佐藤 勝彦 宇宙物理学者、東京大学名誉教授
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

佐藤 しかし一方、物理学者としては、「多様な物理法則」という考え方に対してフラストレーションもあります。物理学者は、この世界を総(す)べる物理法則は、必然的にたった1つに定まっていると信じたい。

その信念のもと、究極の法則を探り出すことに、最大の喜びがあるんです。

福岡 そこにイデア(理念/観念)のようなものを見ているわけですね。

佐藤 もちろん、すべての人がこうした考え方に同意してくれるわけではありません。

以前、ある生物学者の方からは、「物理法則なんてそれほど大仰なものじゃない。地球に人間が生まれたのはたまたま環境がそれに適していたからで、物理法則もそういう環境因子の1つに過ぎないよ」といわれました(笑)。

恐竜が知的生物になった可能性もある

福岡 じつは、こんな思考実験があるんです。

私たちのいるこの宇宙の歴史はおよそ138億年、そのうち地球の歴史は46億年、さらに、地球に生命が誕生してから38億年がたったといわれます。つまり、生命は、地球誕生の8億年後に生まれたことになる。

では、その8億年の歴史が、さまざまな環境条件を含めてまったく同じように再現され、繰り返されたとき、同じ進化のプロセスをたどって、いまと同じ人間が生まれてくるだろうか。

私は、生まれてこないと思うのですが。

佐藤 私も、生まれないと思いますね。よく、いまから6550万年前に地球に巨大隕石が落ち、それによって恐竜が滅んだために、哺乳類が知的生物へと進化したといわれますよね。

しかし、あの時期にあの隕石が落ちたのは、極めて偶然です。隕石が落ちず、人間の代わりに恐竜が知的生物になった可能性すらあると思います。

次ページが続きます

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象