「アンチヒーロー」ヒットを予感させる3つの要因 随所に注目ポイントが散らばっている

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
「アンチヒーロー」イメージ
TBS『アンチヒーロー』の初回は大健闘。SNSでは高評価が並んだ(写真:ドラマ公式サイトより引用)

『VIVANT』に次ぐヒットになるのでは、と注目されている日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系、日曜よる9時〜)の初回は大健闘。世帯視聴率が『VIVANT』の初回と同じだったと幸先もよかった。世帯視聴率は指標にならないと言われて久しいとはいえ、いいときは相変わらず指標化されているのだ。

『アンチヒーロー』は『VIVANT』と制作陣が同じという触れ込みで、事前情報を明かさないPR方法を踏襲したものの、肝であるチーフ演出および原案の福澤克雄やメインライターの八津弘幸が不在であることには懸念もあった。

が、ふたを開けてみたら、次世代スタッフの作った“逆転パラドックスエンターテインメント”はSNSでは高評価が並び、大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK、2020年)から久々にテレビドラマに主演した長谷川博己の演技は極めて好意的に迎えられた。

主人公は「単純な正義の人」ではない

ここでは、何がウケたのか、主として「アンチ」と「リーガルエンタメ」と「長谷川博己」の3点に絞って解説しよう。

長谷川演じる主人公の弁護士・明墨正樹は、タイトルがアンチヒーローだけあって、単純な正義の人ではない。殺人犯を無罪にする弁護士である。なぜ彼がそんなことを行うのか。理由は冒頭、殺人事件の容疑者・緋山啓太(岩田剛典)に向かって朗々と語られる。

「過ちを犯してもやり直せる 日本はそんな優しい国だと思いますか」

明墨は、罪――とりわけ殺人を犯したら最後、どれだけ償っても「殺人犯」というレッテルは拭えず、自分だけでなくまわりにも「殺人犯の関係者」として白い目で見られてしまうと語る。だからまともに社会復帰するためには殺人犯ではないことを証明しなければならないと。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事