ルーシー・ブラックマン事件、その真相とは? 著者のザ・タイムス東京支局長に聞く
──本作において、なぜミステリー小説風という形式を取ったのでしょうか。
もちろんこの本はノンフィクションで、書かれていることは全て事実です。しかし、フィクションで用いられる物語の手法を強く意識しました。主にストーリーの構成に影響を与え、あるときはスローダウンし、あるときはペースを早め、読者へ重要な情報を与えるタイミングを遅らせることで、サスペンスや驚きを演出できます。
これらはフィクションで用いられるテクニックでもあります。 しかし同時に、これらは全て英語圏のジャーナリズムにおける伝統的な手法でもあるのです。 ジャーナリストによるこういったテクニックの利用には50年以上の歴史があります。私もその伝統に沿ってこの本を書きました。
ルーシー・ブラックマンとその家族の物語
──最後に、日本の読者へー言お願いいたします。
複数の読者が感想を口にし、私自身も執筆中に発見したこととして、確かに暗い題材についての本ですが、同時にこの本はルーシー・ブラックマンとその家族の物語でもあります。暴力的な情景が多く含まれながらも、愛の物語でもあります。日本の読者の皆様にもそれを見つけて欲しいと願っています。
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