TKO木本、投資トラブルを起こした「40代の焦り」 そこそこ売れてても「妙な不安」に支配されていた
「確実にちゃんと投資される話です。それを途中で止めてお金を抜いてしまうと、会長が立腹して、僕がつき合いを切られてしまうので、それだけは勘弁してください」とBが泣きついてきたのです。
それでもちょっとずつお金も戻ってきたのですが、僕は「もう限界や、どうすんねん」と問い詰めると、会長が日付を設定して、木本さんに直接謝罪の上、利益と一緒に戻したいと連絡がありました。
その約束の前日に自宅に内容証明が届いたのです。Bの弁護士を通じたその文書の大意は「現在のところはお支払いできません。でも、支払う意思はあります」というものでした。
僕はその文書に目を通した瞬間、膝から崩れ落ちました。
なんてことはない、結局、僕はBにも騙されたのでした。
FXに続いて、僕は投資メンバーたちを巻き込んで損失を出してしまいました。すべては僕の責任です。
BもAに騙されたというとっかかりに勝手にシンパシーを感じ、自動的に信用してしまった。
10年ほどのつき合いがあったBが、はじめから僕を騙すつもりだったかはわかりません。後から調べると、これはポンジスキームという、典型的なサギの手口にそっくりでした。
「不安」から始まった、僕の投資物語は、悲劇的な最期を迎えたのです。
「弱みにつけ込まれる」日々で学んだこと
「大丈夫か?」と僕のことを心配する態度を装いながら、本音としては僕を利用すべく近づいてきた人が複数いました。僕個人としては、その人たちを憎からず思っていたので、「いまの俺にそんな危ない話を持ってくるんや」と、心の底からがっかりしました。
自分が騙されたからいうわけではありませんが、これからの時代はリアルに善意を見極めるセンスや判断力が、より必要になると思います。
善意は喜んで受け取るべきである。
おそらく真理です。さらに、表面的にはそれが正しい態度だと思います。だからこそ“善意の裏側”まで見通す洞察力が求められるのではないでしょうか。
いろいろな人から「弱みにつけ込まれる」日々でひとつだけ学びがありました。それは「心の底から気遣ってくれる人」と「商売のツールとしか見なしていない人」が、僕の中ではっきりと線引きできたことです。
どんな境遇にあろうと僕のことを心配してくれる人を大切にしたい。そんな心境にあるのです。
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