このように一見、日本人から見ると日本人と外国人社員の間で「不平等だ」と思い、会社のルールで外国人の主張を受け入れられないと思うことはあります。しかし、それでも少し耳を傾けてあげるだけで、課題が解決できる例はたくさんあります。
理解ができる範囲での「特別扱い」。日本人と平等だからというものさしでは、社内の問題をすべて解決できるわけではありません。それでも、わが日本は「おもてなしの国」ではありませんか。そうした、ちょっとした気遣いと特別扱いが、優秀な外国人にとって優しい社会になれるのです。
ミャンマー人は「口コミ」で職場を探す
日本人はアジア諸国の事情も知らず、「外国人は日本にあこがれて、日本企業が募集をかければ勝手に外国から就業希望者が来てくれる」「日本を選んでくれる」と思っている経営者などが少なくありません。
そして日本人と平等であれば「外国人にとっても問題ないだろう」「ここは日本だ。だから日本の価値観を学べ」と押し付ける現場もまだまだ多く目にします。
とはいえ、相手が大切にしていることを汲み取り、それが解決できる仕組みを作ることができれば、外国人はもちろん、日本人にとっても魅力的な職場、企業になれるのです。外国人とともに働くことで、日本人にも魅力的な働きやすい職場をつくるきっかけになることがたくさんあります。
一口に外国人といっても国によって異なります。当然、人間ですのでひとりひとり異なります。外国人を採用したらこうすればよい、という明確な答えはありません。
まずは、外国人を受け入れてみて経験する。初めはわからなくても、実際に受け入れを行うとさまざまな問題が発生します。それらを日本人目線だけではなく、外国人目線、当事者目線でひとつひとつ改善してあげること。そうすると外国人からの信頼が生まれます。
そして、ミャンマーでいえば、ミャンマー人は企業の大小ではなく、口コミで仕事を選ぶ傾向があります。これはミャンマー以外の外国人からもよく聞かれます。
「自社に都合のよい、来てくれる外国人労働者を探す」というスタンスではなく、「事業者自らが変容することで、外国人労働者に喜んで来てもらえるようになる」スタンスを取ることが必要です。
ミャンマー人からだけでなく、多くの外国人から「海外で働くなら日本がいいな」と、こんな言葉を世界各地で耳にできるような日本社会になり、多くの日本企業から、そのような風土が生まれてほしいと願っていますし、それは、ちょっとした外国人への気配りで実現できる可能性が高いのです。
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