視力と聴力が低下、軽視される「帯状疱疹」の恐怖 新年度の疲れに要注意、子どもも無縁ではない

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コロナ罹患後に帯状疱疹のリスクが増すのはよく知られた事実だ。また自己免疫疾患など免疫の異常による病気のある人でリスクが高くなるのも何となく理由がわかる気がする。だが、ありふれた生活習慣病でも帯状疱疹のリスクは上昇する。糖尿病、心臓病、COPD、慢性腎臓病などが代表だ。カナダの研究者が、さまざまな論文からデータを抽出してメタアナリシス(大規模な解析)を行ったところ、以下の疾病や状態が帯状疱疹のリスクを上げることがわかった。

●帯状疱疹のリスクを増す諸条件
家族歴 148%
がん 117%
全身性エリテマトーデス 108%
外傷 101%
関節リウマチ 51%
精神的ストレス 47%
COPD 41%
心血管病 34%
炎症性腸疾患 32%
慢性腎臓病 29%
気管支喘息 24%
糖尿病 24%
うつ病 23%

疾病だけでなく、精神的ストレスや身体的な外傷後も帯状疱疹リスクが上がる。また、家族歴は血縁者のことであり、祖父母、父母、兄弟、いとこ、甥や姪がこれに当たる。つまり、両親のいずれかが帯状疱疹に罹患したことがある場合、自分も発病リスクが高いということだ。

糖尿病では一層リスクが高まる

台湾からの研究報告では、糖尿病の人は帯状疱疹のリスクが38%増加し、さらに冠動脈疾患や脳梗塞、末梢血管病、心不全などの心血管病を合併すると19%リスクが上昇すると解析している。つまり、心血管病を合併した糖尿病患者では64%もリスクが高まるのだ。

また、免疫が関係する疾病や、その治療薬がリスクを上げることが知られている。身近なところでは、アトピー性皮膚炎の患者さんは帯状疱疹のリスクが18〜33%高いことが報告されている。さらに治療に用いられるJAK阻害剤という薬の一部が帯状疱疹のリスクを上げるとの報告もある。JAK阻害剤は比較的最近発売され、いまでは円形脱毛症や関節リウマチ、炎症性腸疾患など多くの自己免疫疾患の治療に用いられており、治療を始める前に結核など感染症のチェックを行う。ぜひ帯状疱疹ワクチン接種の有無も事前に考慮すべきだ。

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