やがて、山から2匹の犬がヤギの群れを導いて降りてきた。群れの先頭と後尾には、中学生ぐらいの男の子がいる。ここでは、幼い頃から仕事や責任を持たされることが多いようだ。
ヤギが小屋に近づくと、犬たちは遅れてくるヤギを促すために、猛スピードで駆け寄った。すると、のろのろと歩いていたヤギたちも一斉に小屋に向かって駆け戻っていく。
それぞれの動物に与えられた重要な役割
犬はヤギを管理するだけでなく、この村に訪れる危険な野生動物から身を守る番犬としても役立っていると村人から聞いた。ここでは、すべての動物がそれぞれの重要な役割を果たしているのだ。
次に村に戻ってきたのは、放牧から戻ってきた黒い牛の群れだった。その中には、特に大きく、足元まで黒い長い毛で覆われた牛がいた。それは、カザの観光案内の看板で見た「ヤク」だ。
「高原の王者」と呼ばれる野生のヤクは、頭に太くて硬い角と、頑強な体を持ち、凶暴なユキヒョウや獰猛なオオカミさえ避けて通る。
高海抜、低気圧、低酸素、飼料の少ないツンドラ気候の寒冷高地の草原に生息する。ヤクは、チベット高原やヒマラヤ地方の固有種で、ウシ科の哺乳類。野生種は「ノヤク」と呼ばれる。
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