なかなかの強メンタルである。ただし、博之さんの努力は「自己改善」よりも「活動継続」に集中していた。2つ目の弱点である「女性に好かれるような立ち振る舞いができない」ことは少しずつしか直らなかった。
「カウンセラーの方と月に1回面談ができたので、無頓着だった身だしなみなどは少し直せたと思います。でも、炎天下でハイキングデートに誘ってしまったり、学歴の話ばかりして嫌われたり。私の目がギラギラしていて怖かったという理由で、婚約をした3日後に交際終了されたこともあります」
いわゆる高望みをしていたわけではない。旅行やドライブ、山歩きなどの趣味を共有できる同世代ならばいいな、と願っていたに過ぎない。実際、婚約を解消された相手は同い年のシングルマザーだった。
楽観的で寛容な11歳年下の女性と出会う
そんな博之さんに幸運が訪れたのは婚約解消の翌月だった。落ち込みながらも結婚相談所の上限数までお見合い申し込みをして、そのうちの1人である志保さん(仮名)と会うことができた。博之さんより11歳も年下の未婚女性である。
「趣味はまったく合わなかったのですが、なぜか印象はお互いに悪くなかったようです。妻は熱烈な広島カープファンなので、今では私もにわかファンになっています」
薬剤師の志保さんは楽観的で寛容な女性らしい。ネガティブになりがちな博之さんが彼女のことを「ますます好きになった」出来事がある。
「真剣交際中に東京ドームで巨人対広島戦を観に行きました。私は待ち合わせ時間を1時間も間違えてしまったのです。それを理由に交際終了されてもおかしくありません。でも、彼女は『本屋で立ち読みをしていたから大丈夫』と軽い調子で許してくれました。とにかく心の広い人なんです」
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