私もあなたも実は「スライサー」かもしれない 一緒にいると「モヤモヤ」その理由を考えてみた

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やっかいなのは、「ちょっとくらいの遅刻」「ちょっとくらいのお得」は指摘しにくいこと。むしろ、指摘する側がセコく見えてしまう。

はっきりモヤモヤしていることを言いにくい点では、あからさまに失礼なテイカーより付き合うのが難しいかもしれません。

また、スライサーの言動は、周囲にわからないぐらい、さりげなく人の時間や好意をかすめ取っていきます。

だから、その人と距離を取ろうとする自分が「ひょっとして冷たい人間なのでは?」と罪悪感を持ってしまうことも。

あなたがスライスされて嫌なものは?

とはいえ、私たちはみんな、どこかにこの「スライサー要素」を持っていると思います。

実際、Voicyでスライサーについて語ったあと、「放送を聞いて自分がスライサーだと気づいた」というコメントをたくさんもらいました。

「損したくない気持ち」、これが全くないという人はいないと思います。だから「スライサーの気質を改善して」と言いたいわけではないのです。

肝心なのは、自分がスライスされて嫌に感じるものは何なのか、自覚しておくこと。それは時間なのか、お金なのか、気持ちなのか、です。

たとえば、割り勘で多く払うのは気にならない人でも、相手が毎回、数分遅刻してくるのはストレスに感じているかもしれません。

その逆で、相手の遅刻は気にならないけれど、お金については1円も多く出したくないと思う人もいるでしょう。

スライスされてモヤモヤするポイントは、人によって違うのです。

言い換えれば、お金のスライスが気になる人と、時間のスライスが気になる人との組み合わせなら、お互い「たいして気にならない」関係でいられると予想できます。付き合いがおっくうになることもないはずです。

また、なぜ時間やお金をスライスされるとモヤモヤするのか、を考えてみるのもよいでしょう。

たとえば生まれ育った家庭環境が原因で、お金に対してシビアに考える癖がついているかもしれません。

それを自覚できれば、モヤモヤする相手との付き合い方をどうするか、また自分自身がどう心を整理するか、を客観的に見つめられるようになると思うのです。

ギバー、テイカー、マッチャー、スライサーの説明
尾石 晴 Voicyパーソナリティ

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おいし はる / Haru Oishi

音声メディアVoicy「学びの引き出しはるラジオ」でパーソナリティーを務める。

大学卒業後(心理学専攻)、外資系メーカーに16年勤務。転勤5回、管理職の経験あり。2020年に退職し、独立。2年間のサバティカルタイムを経て、現在は大学院博士課程(感性学)に在籍中。

(株)ポスパムの代表として、オンライン・スタジオヨガ「ポスパム」と、母と子のシェアコスメ「soin(ソワン)」の運営も行っている。

著書に『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「やりたいこと」が次々見つかる! 自分らしく生きている人の学びの引き出し術』(KADOKAWA)など。

2013年、2016年生まれの男児2人の母。

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