日本で蔓延する「結婚=不幸」という風潮の大問題 漫画にも一因?東村アキコ×植草美幸対談

✎ 1〜 ✎ 57 ✎ 58 ✎ 59 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

植草:「楽」というのは、2人の収入を合わせて経済的に楽になるかもしれないし、2人で家事を分担して楽になるかもしれない。悲しいことは半分になり、嬉しいことは2倍に、子どもが生まれればさらに何倍にもなる。そういう意味で、結婚は今よりも楽に、幸せになるためにすることなんです。

東村:私もそう思います。好きな人が家にいて、子どもやペットがいて、イチゴジャムを煮たりする。幸せ感じんのってそういう時だと思うんですよ。こう言う考え方を押し付けるのはよくないですが、あのいちごジャムを煮る香りって、幸せの象徴な気がします。

「寂しい」と素直に言える社会になってほしい

植草:人によっては結婚相手の親族とのコミュニケーションが面倒くさいからと、相手に求める条件として「親がすでに亡くなっている人」を挙げる人もいます。自分の言うことを何でも聞いてくれる実母は好きだけど、相手の親は面倒だから避ける。面倒くさがりが増えていますよね。生きていくうえで面倒なことも乗り越えていこうという情熱が感じられない。

東村:私は独身だけど息子がいて、アシスタントも4、5人、いつもそばにいて、いつもにぎやかにワイワイした中で生きています。そういうことが苦手な人もいるとは思うけど、一生ずっと1人で生きていける人は少ない。「寂しい」と素直に言える社会になってほしい。そうしたら、「この子は結婚願望があるんだな」と思った上司がいい相手を紹介してくれるかもしれない。

植草:昔は「キミもそろそろ結婚しないとね。~課の~君を紹介するよ」という親切な上司がいましたね。今はパワハラ、セクハラと言われちゃう。

東村:私は田舎育ちだから、20代はそういう話がたくさんありました。「うちの息子のお嫁さんに」とか「あそこの店が嫁を探してるから行ってこい」とか。私は漫画家になりたくて東京に出てきたけど。

植草:私がこの業界に入った15、16年前からすでに昔ながらの仲人の先生たちが、「最近のお嬢ちゃんたち、お坊ちゃんたちは結婚しないわね」とぼやいていました。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事