結婚相談所の経営者として婚活現場の第一線に立つ恋愛・婚活アドバイザーの植草美幸氏と、人気漫画家として男女の心理を描いてきた東村アキコ氏。東村氏の周囲では、20代、30代と独身を謳歌した男女が、40代を前に次々に「結婚したい」と言い始めているという。なぜそのような現象が起きているのか。2人が現代の結婚観、恋愛観をあぶりだす。
パートナーはいないけど「結婚します」と宣言
東村アキコ(以下、東村):私は職業柄、知り合いが多いんですが、東京に出てきて約20年、結婚式に呼ばれたことがものすごく少ないんです。私自身は28歳で結婚して出産。その後、離婚して子育てに追われていました。
だから、30代は、仕事をバリバリやって趣味に時間とお金を使って楽しそうにしている独身の人たちを見て「さすが東京、さすが現代社会」と思っていました。ところが、30代後半くらいからその人たちが「結婚したい」と言い出した。
年賀状には「今年は結婚します」と、パートナーがいないのに書いてくるんです。「宣言しないと結婚できないから」と。さらに「東村さんは顔が広いですよね。誰か紹介して」と言う。そういうことがあって植草先生のYouTubeやご本を拝見するようになり、「救世主はこの人しかいない!」と大ファンになりました。
植草美幸(以下、植草):ありがとうございます。実際、30代後半で結婚相談所に駆け込んでくる人たちは、それまで結婚を考えてなかった、もしくは「いずれ結婚できる」と思い込んでいた人たちが多いですね。