「実はプライドが高い?」子どものメンタル育成法 12歳までの環境が大きく影響する

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忙しいし、急ぎたい大人の事情もよくわかりますが、「もう学校に行く時間だよ」「早く、早く!」などと時間で子どもを動かそうとすると、子どもが自己決定する機会を奪ってしまいます。

自立する子どもに育つ3つの言葉かけ

ここでは自己決定することができ、自立できるようになる3つの言葉かけを紹介します。

① 「あなたの考えていることを教えてもらってもいいかな」「あなたの意見を聞かせてもらってもいいかな」

あなたの考えていること、意見を聞かせてほしいとうながすことは、子どもに自分自身の意見を見いださせる機会や、選択肢を与える機会を養うことにつながります。

②「(使ってみたときのことを)考えてみようか」

文房具でもおもちゃでも、何かを買うときなどにかける言葉です。

たとえばペンを買おうとしたときに、「実際にこのペンで書いてみたときのことを考えてみて」などと伝えます。

そうすることで、子どもは自分の頭のなかで想像し、自己決定する力がついてくるのです。

③「どんなよいことと、よくないことがあるかな?」
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迷ったときの声かけです。小さいお子さんには難しいですが、10歳くらいになったら、こんな声かけをしてあげましょう。

大きなことでなくてもかまいません。買いものをするときでさえ、迷っているときに「もう、さっさと決めて」などといっていませんか?

子どもによいこと(メリット)とよくないこと(デメリット)を聞くなんて……と思われる親御さんもいるかもしれません。

迷ったときピンと来たほうを選ぶ、ということがあってもいいですが、子どものときからメリットとデメリットを考える習慣をつけてあげることは、自己決定できる力をつける後押しになるでしょう。

中島 輝 心理カウンセラー

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なかしま てる / Teru Nakashima

自己肯定感の第一人者/「トリエ」代表/「肯定心理学協会」代表。心理学、脳科学、NLPなどの手法を用い、独自のコーチングメソッドを開発。Jリーガー、上場企業の経営者など1万5000名以上のメンターを務める。現在は「自己肯定感の重要性をすべての人に伝え、自立した生き方を推奨する」のがミッション。「肯定心理学協会」や 新しい生き方を探求する「輝塾」の運営のほか、広く中島流メンタル・メソッドを知ってもらうための「自己肯定感カウンセラー講座」「自己肯定感ノート講座」「自己肯定感コーチング講座」などを主催。著書に『自己肯定感の教科書』『自己肯定感ノート』(SBクリエイティブ)など。

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