中国の消費財の輸出が回復を見せている。中国海関総署(税関)が3月7日に発表したデータによれば、(アパレルや日用雑貨など)労働集約型商品の2024年1月から2月までの輸出額は937億2700万ドル(約13兆8888億円)と、前年同期比18.86%増加した。
品目別で伸び率が目立ったのは、スーツケース・バッグ類の前年同期比24.1%、プラスチック製品の同22.9%、繊維製品の同15.5%などだ。前年同期の(一昨年と比べた)伸び率との比較では、スーツケース・バッグ類が21.7ポイント、プラスチック製品が18.7ポイント、繊維製品が13.6ポイントそれぞれ上昇した。
玩具の輸出額は前年同期比15.9%、靴類は同14.4%、アパレルは同13.1%増加し、前年同期はマイナスだった増減率がプラスに転換した。輸出先の住宅市況の影響を受ける家具類は、同36.1%の大幅増を記録。同じく照明器具は同30.5%、家電製品は同20.8%増加した。
消費財の輸出が回復してきた背景には、海外市場で(コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の影響などで積み上がっていた)在庫の消化が進み、商品補充の動きが本格化してきたことがある。中泰証券の調査レポートによれば、海外市場での在庫減少を受けて、2023年の年末頃から(海外の)貿易会社が中国製品の輸入を増やし始めたという。
家具や家電製品の伸びに期待
国泰君安証券の調査レポートは、世界的なインフレに伴う資産価格の上昇やアメリカの株高、労働力不足(による賃金上昇)などが、欧米の消費者の懐を潤していると指摘。それを受けた個人消費の増加が、中国製の消費財への需要を押し上げていると分析する。
とはいえ1~2月の輸出データは、1年前の数字が低すぎたため、見た目上の伸び率がカサ上げされた面もある。2023年1~2月の労働集約型商品の輸出は、前年同期比18.85%も落ち込んでいた。
消費財の輸出好調は今後も続くのだろうか。国泰君安証券のレポートは、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)が利下げサイクルに転じるとともに、海外の住宅市場が活発化すると予想。そうなれば、家具類や家電製品の輸出がさらに伸びるとの見方を示した。
(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は、3月8日
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