「ダメ出し受ける資料」「受けない資料」決定的な差 ダメな資料は「読ませる」「見せる」がブレている
「目次を読んで、買ってみようと思いました」「表紙を見て、買ってみようと思いました」といった表現が一般的であり、逆はあまり考えられません。
目次は読むもの。表紙は見るもの。書籍の製作者は、まさにこの2つの使い分けによって読者になるかもしれない誰かとコミュニケーションをし、興味を持っていただこうとしているのです。書籍を買うか買わないかはビジネスの成否そのものです。
このように、ビジネスコミュニケーションとは、「読む」ものと「見る」ものの2つを組み合わせて行う営みなのです。
状況に応じた資料の「使い分け方」
具体的なケースをいくつか挙げてみましょう。
ケース1:決算発表に向けて、上司と一緒に経営数字をチェックする
→「読む」ための資料が必要(①が必要)
ケース2:忙しそうにしている上司に1分程度で簡潔に説明する
→「見る」ための資料が必要(②が必要)
ケース3:取引先との重要な商談
→両方とも必要(①と②が必要)
決算発表に関係する内容の確認をサクッと見て終わるわけにはいきません。ちゃんと読み込むための資料が必要でしょう。
1分しか時間がない上司がじっくり資料を読めるはずがありません。要点が一瞬でわかるような「見る」ための資料が妥当です。
重要な商談なら、パッと見てメッセージが伝わる魅力的な資料を投影してプレゼンテーションするでしょう。しかし重要な商談になればなるほど、相手は細かい情報も確認する慎重さを持つものです。手元にはそのような情報がちゃんと正確に記された資料を配布しておくことが望ましいでしょう。
このように、「じっくり」「ちゃんと」「パッと」「サクッと」といった誰でも使うカジュアルなフレーズが、実はビジネスの資料作成における重要な視点を教えてくれるのです。
もしよろしければこれからは資料を作成する際、その資料を見せる相手に次のような確認をしてみてください。
「明日のお打ち合わせに資料を持参いたします。じっくり読み込んでいただく資料は後日メールにてお送りしますので、明日はパッと見ていただく程度の資料でもよろしいでしょうか?」
相手の返答によって、どの種類の資料を用意するか決めましょう。事前に質問をするだけですから、実際の資料作成という仕事よりはるかに簡単なことです。
資料作成は上手なのに使い分けが上手でない残念なビジネスパーソンにならないように。ぜひ仕事術のひとつに取り入れてみてください。
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