失意の中にいた彼も、3月には腹をくくって早稲田での生活を楽しもうと思えるようになります。気の持ちようを変えると、大学生活も好転しました。2年生になってから入ったサークルで親友ができたのです。
偏差値を当てた男性と親友になる
「サークルの新歓で行った串カツ屋で、僕が自己紹介をしたときに1人の男性が僕の高校の偏差値を当てたんです。それに驚いた僕は、その男性と話をするようになりました。彼は全国の高校名とその偏差値に異様に詳しかったのですが、彼も香川の田舎で宅浪して早稲田に出てきて、『大学受験サロン板』に学歴に関する議論をするスレを立てまくっていた人でした。すぐに意気投合した僕らは、それから毎日、高校や学歴の話をする日々を送ったのです」
親友となった彼と、来る日も来る日も高校談議・学歴談議をしていた伊藤さん。
4年生になってからは就活で大手銀行に内定をもらいましたが、ここで親友の勧めで、あるアカウントを開設したことも今の人生に大きく影響を与えました。
「内定をいただいて入社するまでの4カ月が暇だったので、何かしたいなと思っていました。すると、半年前に親友が公立進学校に関する情報を発信するアカウントを始めて、すでに7000人くらいフォロワーがいる有名人になっていたんです。『お前もやってみれば?』と言われて、数カ月だけやるか!と思い『早大学歴研究会』というアカウントを作って、受験期にためた学歴の知識を発信していたら、バズりはじめたんです」
「人生かけて集めてきた知識だから、思い入れが違う」と語る解像度の高い学歴観・学校情報で、すぐに大勢の人に受け入れられた伊藤さん。就職した銀行が体育会系の社風ということもあり、2年で適応障害になって退職するなどの憂き目にも遭いますが、就職してからも2日に1回ツイートをしていたこともあり、退職時には1万5000人のフォロワーがいたそうです。
それを自信にして独立し、教育事業を始めた伊藤さんは、経営のかたわら2年間コツコツ受験情報の投稿を続け、フォロワー数は約9万人に到達しました。
「学歴研究家」の第一人者として、3月4日には『中学受験 子どもの人生を本気で考えた受験校選び戦略』も上梓しました。
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