次は子ども服に参入「ワークマン」はどこへ行く "女子"を大量出店、カジュアル業態を3割へ拡大

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中長期では、ワークマン女子をはじめとする作業服を扱わない業態で400店舗体制を目指す。実現すれば、全店舗の3割弱がカジュアル主体の業態となる。

ワークマン女子では、メンズ商品や男女兼用品も多く扱う。にもかかわらず、店名で「女子」とうたったことが批判の的になったこともあった。「既存のワークマン・ワークマンプラスに来店している女性客の受け皿となる業態を作ることが狙いだった。ワークマン女子の出店とFC化が軌道に乗れば、別の店名を検討する余地はある」(土屋専務)。

2期連続の営業減益に沈む

ワークマン女子の出店拡大に意欲的なワークマンだが、足元の業績は逆風にさらされている。2月5日には今2024年3月期の業績予想の下方修正を発表した。

本業の儲けである営業利益は前期比2.8%減の234億4000万円となる見通しで、2022年3月期の営業利益268億円をピークに2期連続減益に沈む。暖冬の影響などで売り上げが計画未達になったことに加え、円安影響で原価が上昇したことが響いた。

機能性とコストパフォーマンスにこだわっている(記者撮影) 

価格を据え置いてきたプライベートブランド商品は、7月から赤字商品を値上げし、それ以外のPB商品も商品改廃などで価格を見直していく。業界最安値は維持する方針だ。女性向け商品は、ワークマン女子の年30店の出店が軌道に乗るまで値上げをしないという。

「ワークマンの業績は確かに踊り場だが、急がずじっくりと女子店の開発をしていく」と土屋専務は語る。ワークマン女子の拡大戦略で活路が開けたこともあり、来2025年3月期は賃上げを行い、社員の平均年収が5.1%上昇する見込みだ。

新たな女性客を取り込む上で、ますます重要になるのが作業客や男性客といった既存の顧客基盤だ。ワークマンが踊り場を脱することができるかは、客層別マーケティングの成否にかかっていると言えそうだ。

山﨑 理子 東洋経済 記者

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やまざき りこ / Riko Yamazaki

埼玉県出身。大学では中国語を専攻、在学中に国立台湾師範大学に留学。2021年東洋経済新報社に入社し、現在小売り・アパレルを担当。趣味はテレビドラマのロケ地巡りなど。

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