ついに「俺たちのワークマン」が帰ってくる――。
快進撃を続けてきた作業服チェーンのワークマンが、踊り場を迎えている。新規出店や店舗の改装によって全体の売上高は成長しているものの、1年以上継続して営業している「既存店」が振るわないのだ。
10月2日に発表された9月度の既存店売上高は、前年同期比で6%減少。第2四半期累計(4~9月)では同0.7%増と前年並みだが、破竹の勢いで2桁増が続いた頃の姿は見られない。
ワークマンが「ワークマンプラス」を出店し、一般客の拡大に踏み切ったのが2018年。背景には、職人の減少に伴う作業着市場の先細り懸念があった。国内市場に特化してFC展開するワークマンにとって、持続的な成長に向けた一般客の開拓は不可欠だった。
ブチ上げた「ワーク強靭化計画」
一般客向けの開拓が軌道に乗る一方、本業であるプロ向けの取り組みは疎かになっていた。ワークマンの土屋哲雄専務は「作業客で、もう一回やっていけるようにしないといけない」と危機感をあらわにする。
2023年秋冬商戦で掲げるのが「ワーク強靭化計画」だ。ワークマンにとって原点回帰であり、職人向けの商品開発に力を入れている。意識したのは「45歳」だ。
45歳以上のベテラン職人向けには、安価でベーシックかつ機能的な商品を取りそろえる。たとえば通年の人気商品「裏綿」の作業着の夏用商品を、来年から投入する計画だ。「サマー商品を投入すれば、十数万着は売れる」(土屋専務)という自信作となっている。
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