ワークマン「アパレル本格参入」で露見した危うさ ユニクロとの「対決姿勢」が鮮明になった背景
作業服大手のワークマンがこの秋にアパレル市場に本格参入することを発表した。「ワークマンカラーズ」の名称で、9月にも都心部に出店予定だという。
ワークマンは2022年度までの10年間で、売上高を2.5倍以上と急成長させてきた。その原動力となったのが、2018年にスタートした新業態「ワークマンプラス」だ。
これまでワークマンが展開していた作業服などの製品群から一般にも受け入れられるものに絞り込み、アパレル店と同様の商品陳列で販売した。これまで作業服で培ってきた高機能と低価格、さらにファッション性も併せ持つことで、「ワークマンプラス」は一躍、人気ブランドに成長した。2020年には女性向けの「ワークマン女子」をスタートさせたが、この業態でも製品自体はやはり作業服だった。
今回はこれまでの「作業服の流用」路線から転換し、アパレル業態へ本格参入することになる。
テレビ、雑誌、新聞など主要メディアはこれまでワークマンの急成長の過程を大々的に伝えてきた。躍進をメディアが伝え、それを知った消費者が新たに店に足を運ぶ。ワークマンは広報PRとの相乗効果で成長を加速させてきたともいえる。
ただ、新業態の記者会見では、これまで通りのワークマンの広報PRの「巧みさ」と同時に、「危うさ」も垣間見えた。そこで、本稿では広報PRの観点から「巧みさ」と「危うさ」の両面を指摘したい。
ワークマンの広報PRは非常に「巧み」だ
まずはワークマンの広報PR面での「巧みさ」から述べていきたい。ワークマン急成長の立役者である土屋哲雄専務は発表会見後の各社の取材でこのように述べている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら